福岡県久留米市・久留米あかつき幼稚園(2012年2月)
★早朝の屋外ミーティング
西鉄久留米駅から歩いて10分、水と緑の広大な中央公園に向かい合って、久留米あかつき幼稚園(藤田喜一郎理事長&園長)がある。公園の奥には筑後川が滔々と流れている。雄大な風景である。
創設は1949(昭24)年、創設者は現理事長の父親・藤田貞雄氏。バレエにも造詣の深いユニークな人物だったと聞く。スタートは幼児園と保育園。その実践と試行錯誤が、やがて“善人教育”“ノーと言わない幼稚園”という独特の教育理念に結実した。
喜一郎氏の大学卒業直前に創設者は病にたおれ、まもなく亡くなった。学校出たての若僧ジュニアが否応なく経営責任者になった。現理事長の度胸と愛嬌、そして泰然自若は荒波の中で磨かれた。
訪ねたのは2月3日。福岡も2月は寒い。日の出は東京より30分遅い。夜も明けきらない午前7時、先生たちは白い息を吐きながら屋外ミーティングに集まってきた。まずは今日の予定と課題を確認。「いくら情報を集めても実践しなきゃ意味がない」という今日の言葉を全員で朗誦し、最後にホークスのキャンプ情報を聞いて、「よし、今日も元気にやろう!」とハイタッチを交わした。
出発する園バスを見送った先生たちは、ほうきを持って分散し、地域の清掃を行う。掃除を徹底するのが同園のモットーである。掃除が終わる8時半頃、子ども達の登園が始まる。門前での園長先生との挨拶には「ホークス必勝!」の合言葉も添えられる。この光景を見れば、「とてもマリーンズはかなわない」と俯かざるを得ない。


★園長先生が鬼を撃退
節分豆まきが始まった。最初に和服姿の福娘が、あかつき神社のお札を持って現れ、鬼撃退法を子ども達に伝授。そして男性教師が扮する鬼登場。年中・年長のクラスにはちょっとリアルな鬼、年少クラスには可愛い鬼だったが、見かけに関係なく子ども達は泣きながら逃げまどう。
最後に鬼は、クラスで一番の悪ガキを捕まえた。それを見た友達は「ああ、大変だ。どうしよう」とオロオロする。そこに園長先生がガラッと登場、鬼達をちぎって投げた。「園長先生、すごい!」と拍手と歓声が湧く。園長が一年で一番カッコよくなる節分だった。
詳しい様子は『月刊・私立幼稚園』をご覧下さい。
http://www.yochien-joho.com/


