岩手県奥州市・あけぼの幼稚園(2009年12月後半)

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JR水沢駅のすぐそば、水沢グランドホテルの隣にある小さな幼稚園。そこは子どもの楽園、お釈迦様の生涯を描いた祈りの広場。型破りな園長と優しい先生、赤い消防車とポストもある。駅前商店街再生への拠り所として期待される幼稚園でもある。

折しもこの日は園長先生の叙勲祝賀会の翌日。子ども達がみんなで作った園長先生の肖像画がプレゼントされた。「これが何より嬉しいプレゼントだ」と園長先生は声を詰まらせ涙をにじませた。まさに鬼の目にも涙だった。そこで肖像画を抱えた園長先生の周りに子ども達に集まってもらい、もう1枚の記念写真を撮った。

※同園の山折昭麿園長の波乱万丈な人生を綴った記事を『月刊・私立幼稚園』の“私幼人生録”に掲載してあります。

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埼玉県宮代町・姫宮成就院幼稚園(2009年12月前半)

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春日部成就院幼稚園の姉妹園として東武伊勢崎線で春日部駅から北に二つ目、姫宮駅の近くにあるのが同園。近くといっても駅から20分ほど歩く。おかげで周囲は田圃と畑ののどかな田園風景が広がっている。

Photo_3 そして幼稚園の中でもバケツやプランターでのEM農法の稲作があり、動物、昆虫のふ化・飼育が盛んに行われている。恵まれた環境の中にあるからこそ、農業や自然のことをもっとよく知ろうというのが基本方針のひとつだ。

Photo_4 ところが園舎内に入ると外の雰囲気とガラッと変わって、映画「ウェストサイド物語」を思わせる街並みが壁に描かれている。この内と外のギャップが訪れる人を驚かせてくれるが、きっと子ども達の中にも面白いコントラストが生まれていることだろう。

山梨県南アルプス市・小笠原幼稚園(2009年11月後半)

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毎年5月の連休明け土曜日に行われる「花まつり」。隣の浄土宗・源然寺の本堂には園児と保護者だけでなく、3月に卒園した1年生もほぼ全員顔をそろえる。だから同園の子ども達はお釈迦様のお誕生日を計4回お祝いすることになる。

Photo_2 園長先生のお話を聞いた後、順番にお釈迦様の像に甘茶をかけてあげ、自分達もお茶をいただく。ヤマアジサイの葉を天日干しして作った甘茶は本当に自然の甘さに満ちていて美味しい。

Photo_3 お茶の後は、同園の卒園児でインド舞踊の第一人者である内藤春香さんが、日本ではなかなか見られないインド古典舞踊を披露。そのエキゾチックムードに子ども達は魅せられた。それに応えて、1年生はみごとなマーチング演奏でお釈迦様のお誕生会を締めくくった。

※同園の「はなまつり」の様子をまとめた記事を『月刊・私立幼稚園』の“実況中継”に掲載してあります。

東京都稲城市・矢の口幼稚園(2009年11月前半)

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京王線「京王よみうりランド」駅からJR南武線「矢野口」駅まで続く商店街の中にある幼稚園。だから商店会のイベントは同園のホールを利用することが多い。稲城の夏の風物詩になった阿波踊りには同園からいくつもの漣が参加する。隣のスーパーが閉店した後はそこを借りて保育所を開設し認定こども園になった。まさに地域おこしの拠点になっている幼稚園だ。

Photo_5 この日は入園式。式が終わっても新入園児はなかなか引き上げない。幼稚園がすっかり気に入ってさっそく園庭の遊具を自分のものにしている。その様子を見守るお父さんたちもじっくりと園内の様子を観察している。ここの幼稚園はキャンプ、森づくり、カレーパーティなどお父さんもたっぷり遊べる幼稚園だからだ。

Photo_6 揃いのユニフォームもあるチチクラブの代表が「子どもと一緒に幼稚園ライフを楽しみましょう」と入園式で歓迎の挨拶をした。やがて最後のわが子が卒園するときは「お母さんお父さんの卒園パーティ」もある。それはそれは感動一杯のパーティである。(卒園パーティの詳しい様子は『月刊・私立幼稚園』幼稚園レポートを参照ください)

埼玉県戸田市・つつじ幼稚園(2009年10月後半)

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林立する高層マンションの間に建つ端整な幼稚園。隣にも向かいにもファミリーレストランがある親子エリアでもある。敷地を囲む生け垣はもちろん園庭の花壇も丹精に手入れされ、先生たちの行き届いた気配りが感じられる。

Photo 全体に大人ムードの幼稚園ではあるが、ちょっとレトロなレンガ造り赤門はご覧のとおりの子どもサイズ。中は子どもだけの楽園であることを暗示させる。だからわが子を送ってきたお母さんも、通りがかりの人も、つい生け垣の隙間かっら中の様子をのぞき込んでしまう。

Photo_2 職員室から2階に上がる階段の壁には先生方のための図書コーナーがある。専門書だけでなく文芸書、旅行記、ビジネス書にも親しんで人間の幅を広げてほしいという、旅行好き園長夫妻の願いがこもった推薦図書だ。

千葉県船橋市・健伸行田幼稚園(2009年10月前半)

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広々と緑ゆたかな行田公園と高層住宅が林立する行田団地の間にある幼稚園。住宅棟の上から扇形園舎がよく見える。先生と子ども達の動きもよく見える。
でもそこからどんなに大声で呼んでも誰も気がついてくれない。声は上から下には流れないのか、いやみんな自分の遊びに夢中になっているのだろう。

Photo_2 姉妹園の健伸幼稚園が広域型&未来先取りタイプと見られているのに対して、こちらは地域密着型&伝統的オーソドックスタイプと見られている。しかしひとたび足を踏み入れると、健伸独特の濃密な空気に満たされている。

先生たちの写真は卒園式が終わったときのものだが、その卒園式、赤絨毯が印象的だった。

Photo_3 唯一の気がかりは同園の主とも言える大きな陸亀に名前がないことだ。だから子ども達は「カメさん」「カメちゃん」と呼ぶ。同園出入りのカメラマン氏も皆から「カメちゃん」と呼ばれているので、ちょっと紛らわしい。

富山県射水市・第三あおい幼稚園(2009年9月後半)

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きときとな園児の歌声が園内に響いていた。富山弁の「きときと」は「生き生き」の意味だ。背筋を伸ばし、口を大きく開ける歌声はキレイに澄んでいて、「あれ、ここ本当に幼稚園?」と思ってしまう。
園長先生も歌が大好き。「だって幼稚園は朝からお帰りまで歌で挨拶するんだ。上手に歌えなきゃ楽しくないよ」と言う。

Photo_3 園内は、階段も廊下もたくさんの鉢植え観葉植物で飾られている。幼稚園では珍しい光景だ。「誰がお世話を?」と訊くと、定年退職した先生が定期的にやってきて面倒見ているという。自分は辞めても植物はいつまでも現役というわけだ。しみじみする話である。

Photo_4 訪ねたこの日は2月のお誕生会。誕生児のお母さんが、みんなの前でわが子に愛情一杯のお祝いメッセージを読み上げた。感動のドラマだった。部屋に戻った子ども達はお誕生会委員会のお母さんたち手作りのケーキを食べる。

「やっぱりこのケーキが最高だな」と超辛党の園長先生が目尻を下げた。その上田晃道園長(前列中央)は2009年7月29日、ぽっくりと亡くなった。

神奈川県相模原市・相模ひまわり幼稚園(2009年9月前半)

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寒い朝、雑木林と草っ原と農園に囲まれた広い園庭で子ども達はかけ回っていた。遠くに丹沢連峰も見える。時代は変わってもやっぱり子どもは風の子だ。

Photo その元気の素はお母さんが毎日作ってくれるお弁当と見た。訪ねたこの日は、年少さんと年中さんの12月のお誕生会。誕生児のお母さん達も自分のお弁当を持ってきてクラスで一緒に食べた。このうえなく美味しそうだ。

002 誕生会の演し物では大柄な副園長が黒づくめのギャングに扮し、小柄な女の先生がスカートをはいたサンタさんで登場した。白いヒゲも生やしている。子ども達の頭に?マークが浮かんでいた。逆にすればいいのにと思うが、そうしないのが同園の奇想天外ぶり。それがまた子ども達の発想を広げるのに貢献しているのだろう。

埼玉県春日部市・春日部成就院幼稚園(2009年8月)

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創立45周年を機に建て替えられた三代目園舎は見るからに頑丈だが、明るくてどこからでも園庭に出られる開放感がある。

Photo_8 写真は新しい園舎での最初の入園式が終わったときの先生方。
広い園庭は、お父さんたちの植え込み協力も得て全面芝生化が実現した。同じ敷地にサッカーグランド、温水プール、農園、保育所、ビヨトープがあり子育てドリームランドの様相にもなってきた。

Photo_9 園舎は変わっても玄関前の三仏像、園庭の横綱像はそのまま残り、子ども達を見つめ守り続けている。そんな仏さまに、園児親子は毎朝手を合わせる。

愛知県名古屋市・鳴海ヶ丘幼稚園(2009年7月後半)

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今年で創立50周年を迎えた同園。学校法人栄光学園の名のとおり創立当初からエコに関心が高かった。まるで園児が胸に名札をつけるように園内の樹木もすべて名札をつけている。
Photo_4 園案内パンフは樹木の存在と名前が細かく記され、まるで植物図鑑のようだ。だから同園の園児、保護者は樹木、花、鳥の名前をよく知っている。

もちろん太陽光発電もいち早く取り入れ、園内の使用電力の多くを賄っている。園バスはどれも二酸化炭素の排出量が少ない天然ガス車。車体の図柄も、市民に「温室効果ガスを減らそう」と呼びかけている。

Photo_5 モノを大事にしよう、使えるモノは最後まで使おうというモッタイナイ精神も旺盛で、職員室の前には保護者が作ってくれた「モッタイナイ婆さん」が立ち、子ども達と目が合うたび、「モッタイナイことをしちゃダメだよ」と呼びかけている。