富山県射水市・第三あおい幼稚園(2009年9月後半)
きときとな園児の歌声が園内に響いていた。富山弁の「きときと」は「生き生き」の意味だ。背筋を伸ばし、口を大きく開ける歌声はキレイに澄んでいて、「あれ、ここ本当に幼稚園?」と思ってしまう。
園長先生も歌が大好き。「だって幼稚園は朝からお帰りまで歌で挨拶するんだ。上手に歌えなきゃ楽しくないよ」と言う。
園内は、階段も廊下もたくさんの鉢植え観葉植物で飾られている。幼稚園では珍しい光景だ。「誰がお世話を?」と訊くと、定年退職した先生が定期的にやってきて面倒見ているという。自分は辞めても植物はいつまでも現役というわけだ。しみじみする話である。
訪ねたこの日は2月のお誕生会。誕生児のお母さんが、みんなの前でわが子に愛情一杯のお祝いメッセージを読み上げた。感動のドラマだった。部屋に戻った子ども達はお誕生会委員会のお母さんたち手作りのケーキを食べる。
「やっぱりこのケーキが最高だな」と超辛党の園長先生が目尻を下げた。その上田晃道園長(前列中央)は2009年7月29日、ぽっくりと亡くなった。