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お年玉考

《2014年12月1日》

 今年も残すところ1か月。来年の話をすると鬼が笑うとか言いますが、来年になってからでは遅いのでお許しいただくとして、今回はお年玉の話題。

 幼稚園児には早いと思い、お金の話、お小遣いの話題は本コラムでは取り上げてきませんでしたが、お年玉のやりとりを始めているご家庭は多いことと思います。わが子に、甥っ子や姪っ子に、親戚の子に、お年玉をいくらあげようかと悩んだこともあるのではないでしょうか。仮に「わが家ではお年玉は小学生になってから」と決めていても、園児のわが子にお年玉をいただいてしまったら、どうします? 相手のご家庭にも小さなお子さんがいれば、お返ししなくていいのかと悩ましいことでしょう。

 今回は、私の周囲で、お年玉の金額ルールをつくっているご家庭の例をご紹介します。

★年齢が基準 その1

B Aさんのお宅では、お子さんへのお年玉は幼稚園入園後のお正月から渡し始めたそうです。基準は元旦時点での年齢×100円。3歳なら300円、6歳なら600円です。

 小学生になると、この基準額に一律1,000円が加算されます。7歳なら7×100+1,000=1,700円、12歳なら2,200円ですね。

 中学生になると、加算額が2,000円にアップします。13歳なら13×100+2,000=3,300円、15歳なら3,500円です。

 高校生になると、加算額は3,000円に。高3時、18歳のときが最大額となり、お年玉は4,800円です。早生まれだと4,700円が最大で、100円損したと思うかも? その後、専門学校、短大、大学に進んでも、お年玉はナシ。その年齢で就職する人もいますから、お小遣いは自分でアルバイトをするなりして稼ぎなさい、という方針です。

 ちなみにこのAさんは、私立幼稚園の園長先生です。お子さんたちはとうに独り立ちしていますが、将来生まれてくるかもしれないお孫さんに対しても、このお年玉ルールを踏襲しようと決めているそうです。

★年齢が基準 その2

 じぃじのBさんは、年長組の男の子を頭にお孫さんが4人います。息子さんと娘さんそれぞれに2人のお子さんがいて、同居はしていません。初孫が幼稚園に通い出した頃、「お年玉の額はその年その年で考えるのではなくて、どの孫に聞かれても明確に答えられるような基準をつくったほうがいいな」と思い至ったとか。

 Bさん宅のお年玉は、幼稚園年少では1,000円、年中では2,000円、年長では3,000円と、毎年1,000円ずつアップしていきます。これでいくと、中1のお正月には10,000円になり、以後はアップせず10,000円の定額制となって成人したら終了、という計画なのだそうです。

 4番目のお孫さんが中1になってからの数年間はお年玉で40,000円が飛んでいくことになりますし、5番目、6番目のお孫さんが誕生するかもしれず、年金暮らしのじぃじにはなかなか厳しい額?

 「いやいや、やり繰りもまた楽し、ですよ。やり繰りできなかったら何か仕事をみつけてでも、お年玉は確保していきたい」とBさん。もしかしたら、この心意気が老け込まない秘訣なのかもしれません。

★年齢基準のアレンジ版もあり

 Aさん流よりはもう少しお年玉をあげたいけれど、Bさん流の額だとちょっと厳しいかな、と思うのであれば、年齢基準をアレンジするやり方もあります。たとえば、
  幼稚園時代は年齢×100円、
  小学校時代は年齢×300円、
  中学校時代は年齢×400円、
  高校時代は年齢×500円、
  以後20歳(あるいは大学卒業)までは一律10,000円、
というふうに。

 このやり方は、ご家庭のお財布事情に合わせて臨機応変に額を変更できるところが長所です。また、年齢が基準なので、上の子からも下の子からも文句が出にくいという面もあります。

★年齢なんて関係ない! 今年は西暦何年?

 4人の子持ちのCさんの口癖は、「俺より子どものほうが小遣いをたくさんもらうなんて、おかしいぞ」です。大学生にだって1万円なんてとんでもない、と(笑)。子だくさんパパ、頑張れ!

 Cさん宅では子どもの年齢とは無関係に、お年玉の額が決まっています。もらえるのは幼稚園入園後からで、どの子も一律で「西暦の額」。つまり来月のお年玉は「2015円」というわけです。毎年1円ずつしか上がっていきませんし、もらう前から額は決まっていますから、子どもたちの側にいわゆる“わくわく感”はないのですが、パパはこのルールをいとこや親戚の子どもにも等しく適用したため、「そういうもんだ」と文句も出ないといいます。

 文句が出ないどころか、この家の長女(すでに成人)に話を聞くと、「確かにわくわく感はなかったけれど、パパ、いつも頑張って働いてくれてありがとうという気持ちになった。私が高校・大学に入るときは3歳下の妹の中学校・高校入学と重なり、妹のときも3歳違いの弟と重なるわけで、入学金や制服の準備など経済面で大変だったと思う。一番下はまだ小さいし。お年玉はもらえるだけでありがたかったですよ」と言っていました。

 パパの頑張りはちゃんと伝わっていたようですね。

 もらう額が100円だったり1,000円だったりする園児時代のお年玉ですが、ルールづくりは今のうちが肝心なのかも。小学生ともなれば、親からのお年玉は、愛情とわが家のお財布事情を伝えるかなり有効な手段になると言えそうです。

 お年玉の額をママだけ、パパだけで決めず、夫婦で語り合う話題にしてみてください。
 では、どうぞよいお年を。

(文:西東桂子/絵:山本花子)

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