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江角マキコさんのブログに思うこと

《2014年9月1日》

 先ごろ、某男性週刊誌の記者から突然電話がかかってきました。用件は「江角マキコさんのブログについて、ほかの週刊誌が記事にしましたが、この件についてコメントをいただきたい」というものでした。

 江角さんが自身のブログに書いた内容が反響を呼んでいるのを皆さんはご存じでしょうか。7月30日付のオフィシャルブログに、「4年以上前にママ友から無視されたり、嫌味を言われたり、さまざまな噂話を流されたりしたけど、我慢して耐えた(要旨)」とお書きになったんですね。それをすぐスポーツ紙や複数の週刊誌、ネットニュースなどが「江角マキコ、いじめられていた?」とか「ママ友側からも反論」などと書きたてました。

 私は江角さんのフォロワーではないので、このブログの詳細は電話を受けたあとにチェックしたのですが、新聞に載っていた週刊誌の発売広告を見ていたので、記事が出ていることは知っていました。なぜ私にコメント依頼がくるのか? それは江角さんは現在小学生ママで、4年以上前となると幼稚園時代のことだからのようでした。

★取材を断ったワケ

Photo  その取材を受けたのかって? 速攻でお断りしました。お断りする理由が一瞬のうちに頭にいくつも浮かんだからです。

その1:江角さん本人にも相手側のママ友さんたちにも事実確認ができない以上、想像で物を言いたくない。

その2:私が(誰かが)コメントすることでこの話題が延々と続くようなことになる事態を避けたい(ストップさせたい)。

その3:男性週刊誌にコメントしても、本当に気持ちを伝えたい相手である、一般のごく普通の真面目なママたちに届くとは思えない。

 これらの理由を記者さんに伝えたところ、「それでも、たとえばブログのマナーなどをママたちに伝えることに意味があるとは思いませんか」と切り返されましたが、「お宅の読者は男性がほとんどじゃありませんか」と聞き返すと、わかってもらえたのでした。

 そんなこともあって、このコラムで一度だけ、私の見解を述べておこうと考えました。

★噂話を流されても、無視しよう

 身に覚えのない噂話を流されたり、「あなたの悪口をAさんが言っていた」とBさんから聞かされたとしても、ベストな対応は「放っておく」です。それが大人の流儀というものです。悔しいかもしれませんが、根も葉もない噂なら、いずれ消滅しますから。

「あなたの悪口を○○さんが言っていた」と報告してくれたBさん本人がAさんを嫌っていて、誇張して伝えたということだって考えられます。Bさんはその気持ちをあなたに共有してもらいたかったのかもしれません。でも、そういうことを言ってくる人はもともと噂好きであることが多いのです。Bさんに「それは事実ではないわ」と答えると、それをまた「○○さんはこう言っていた」と噂されるのが落ちです。

 噂を流した張本人が誰だかわかっている場合、面と向かって文句の一つも言ってやりたいと考える人もいるでしょう。でも、その人が「張本人は私だ」と認めると思います? 悪意があったか軽い気持ちで言ったのかはさておき、文句を言うあなたにきっちり詫びてくれる人は非常に少ないと思います。「私ではない。私も噂で聞いたのだ」と誤魔化して、窮地をしのごうとする人が圧倒的に多いはずです。

 そう言われてしまったら、あとは水掛け論。さらには「あの人ったら、証拠もないのに私が噂のモトだと怒鳴り込んできたのよ」と噂の追い討ちをかけられるかもしれず、いいことは一つもありません。信頼の置ける仲良しママに「事実と違う」と言っておけば十分です。
“言われ損”のようで頭にくるかもしれませんが、あなたが大人の態度を取っていれば、本当の友達は離れていくはずもなく、言い換えれば、本当の友達が残っていくのです。

 実は江角さんも、「静かに耐えていると助けてくれる人ができ、人付き合いがシンプルになりました。いろんな人に自分を正しく知ってもらうなんて、まず無理と悟ると、本当に無理をしないで付き合える新しい友人との、素晴らしい出会いがいくつもありました(要旨)」と同じ日のブログに書いています。この出会いを大切にして、過去のことを超越してしまえば、もっとよかったのになぁと思います。ブログのこの日のタイトルだって、「人は人、自分は自分」だったのですから。

★噂話を耳にしたら、自分のところで止めよう

 噂話は本人のいないところでされるものですから、大抵は悪口ですね。自分のいないところで噂をされたら、誰だっていい気持ちはしません。この感覚を忘れないでいれば、いない人の噂話はしないと決意できませんか?

 自分は決意できたとしても、居合わせた別の人が噂話を始めてしまったら、さりげなく「用事があるから」などとその場から遠ざかるのがスマートです。悪口の場にいたら、「よく知らない人の話だったから同意はしていない」という言い訳は通用しません。よけいなトラブルを避けるためにも、輪から離れましょう。

 そして、聞いてしまった悪口は、他言しないのが鉄則。そのまま忘れてしまうのが一番です。たまたま噂の主が仲良しのママだったからといって、告げ口してはいけません。あなたは「本人が知らないのは気の毒だから」という気持ちであったとしても、相手のママにしてみれば、「仲良しだと思っていたのに、不愉快なことを言ってきた」と幻滅されてしまわないとも限りません。

「あの人は噂話に乗ってこないね」という評判が立ったら、それは勲章。いつの間にか信頼される存在になっていくと思います。

★メディア・リテラシーを持とう

 今回、ネット検索をしていたら、こういう論調の投稿がけっこうありました。いわく「江角マキコは発言力のある有名人なのだから、反論できない一般人を相手にブログで糾弾するのは間違っている」。

 思わず納得してしまいそうですが、実際には“一般人”である相手側のママたちも週刊誌を使って反論しました。反論は文書で提出された形でしたが、ただし、そこにあったのは「保護者有志」という文言。有志は全員のことではありませんから、当時同じ幼稚園に子どもを通わせていて、別の考えを持っているママもいるということです。

 一方で、こんな投稿もありました。いわく「江角マキコの相手は一般人ではなく、某有名人ママという噂も」。

 噂はこうやって広がっていく、の見本のようですね。インターネットを含め、メディアにはさまざまな情報があふれていますが、それをすべて信じるかどうかはあなた次第。この、情報メディアを自分で評価し、識別する力をメディア・リテラシーといいます。情報の真偽を自分なりに見極めるだけでなく、その情報を発信した側の意図を読み取って、取捨選択していく力のことです。

 大手新聞でも誤報を出して「お詫び」を掲載することがあるのですから、情報の真偽を見極めるのは簡単なことではありません。しかし、世の中にあふれている情報をいつもいつも鵜呑みにしてしまうのは危険なこと。「本当かな?」と一度は考えてみることが求められていると言えるのではないでしょうか。

 冒頭で、私が取材を断った理由の一番目に「情報の確認ができない」を挙げたワケがわかっていただけたことと思います。

★ママ友だって、期間限定というわけじゃない

 さて、ここまで読んで、「ママ友付き合いって、ウザい!」と思ってしまった方もいらっしゃるでしょうか。あえて申し上げます。ウザい中から得るものがある、と。これは私の実感です。

 今、私の子どもは成人していますが、幼児期に子育ての苦楽を共にしたママ友たちと長いお付き合いが続いています。「あのころはあんな小さなことで悩んでいたよね」と笑って話せる友達がいるのはなかなか楽しいことですよ。

 小学校のママ友たちとは、卒業後10年以上たった今でも、ときどき学年同期のママ同窓会を開きます。今年の参加者は20人弱でしたが、30人以上集まった年もあります。話題は年を重ねるごとにだんだんと子どもの話から離れ、今ハマっている趣味や再就職のこと、親の介護や自分の健康についてなど、どんどん広がって笑いが弾けます。いい年をしたオバサンたちですが、「私たちだって、女子会よね~」と笑う、笑う。

 ある時期の子育てを共有した仲間がいる喜びを想像しながら、今、その土台づくりをしていると思って、毎日を前向きに楽しんでくださいね。

(文:西東桂子/絵:山本花子)

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