相模ひまわり幼稚園とお誕生会とベトナム料理
2008年12月16日(火)
★ウェルカムボードのお出迎え
神奈川県相模原市・相模ひまわり幼稚園(川井彦策園長)を訪ねた。
横浜と八王子を結ぶJR横浜線の「古淵(こぶち)」駅。何となくレトロなイメージの駅名だが、駅前は通りを挟んでイオンとヨーカドーがにらみ合う超モダンな一大ショッピングタウンだ。そこから歩いて10分ほどのところに幼稚園がある。
玄関前にウェルカムボードがあり、私の名前を書いたカードが貼ってあった。過去にも二度ほどウェルカムボードでのお出迎えを受けたことがあるが、この上なく嬉しいものである。
よく晴れ上がった朝9時、前日朝まで降り続いた雨のせいでまだ園庭の土は湿っていたが、子ども達はナワ跳び、鬼ごっこ、三輪車など広い園庭で思い思いに遊んでいた。
その子ども達が私の顔を見ると「いらしゃいませ」「おやようございます」と言ってくれる。ふつうは「オジサンだれ?」「何しに来たの?」「名前は?」と矢継ぎ早に職務質問を受けるものだが、私が誰で何をしに来たのか知っているようである。中には「片岡さん」と呼びかけてくれた賢そうな女の子もいた。
聞くと、朝の放送で私が来ることが子ども達にも伝えられたという。きっと「坊主頭にメガネ、カメラとメモ帳」という特徴も知らされたのだろう。こういう指名手配もまた嬉しいものである。
それにしてもこの幼稚園は広い。園庭の隣に広い農園と駐車場があり、園舎の反対側には雑木林が広がっている。「でも、この林は幼稚園のものではないんです」と中井裕子主任が教えてくれたが、その景観と酸素は子ども達の
ものである。2010年に全国19番目の政令指定都市(神奈川県では三つ目)になる予定の相模原市だが、自然豊かな都会になりそうだ。
さてウェルカムボードや指名手配放送と、そんな気配りをしてくれたのは、実質的に園の運営を切り盛りする副園長の川井俊幸先生と妻の順子先生(主事)夫妻だ(右の写真)。川井先生は相模原市幼稚園協会の会
長を務める忙しい身の上だが、この日は幼稚園にいた。年少さんと年中さんの二本立てお誕生会があるからだ。
同園では、子どもにとって年に1度、自分が主役になれるお誕生会を大事にしていて年齢ごとに月3回開催しているが、12月を含め日程の厳しい月は同じ日に2回行うこともある。それがこの日だった。
川井夫妻には4人の子ども(男1人、女3人)がいるが、娘3人はいずれも12月生まれ。クリスマスと合わせ、「12月はケーキ漬け(景気づけ)の日々です」と酒豪の副園長は苦笑いする。
「なるほど、ここで行われるのか」と、巨大なバースデーケーキが飾られた会場を下見していると、「オジサン、もう始まる?」と年少の女の子Yちゃんが寄ってきた。イエス様と同じ12月25日生まれとのことで、今か今かと朝から会場の様子を見張っているという。幼稚園でのお誕生会とは、子どもにとってこの上ないビッグイベントなのである。
★白ヒゲの女性サンタさんが登場
お誕生会の詳しい内容は、追って『月刊・私立幼稚園』本記の実況中継で紹介するが、印象に残ったことは、年少の部と年中の部でその雰囲気がかなり違っていたこと。しかし子ども達に楽しんでもらおうという先生方の意気込みは共通で、その出し物は趣向が凝っていた。
年少の部で、スカートをはいた女性サンタさんが疾風のように現れて、「メリークリスマス」と言って、疾風のように去って行ったときは、子どもも親も私もポカーンと口を開けた。
恰幅の良い女性教師あるいは母親がサンタさんに扮することは時々ある。サンタさんの素性を知られないためだ。しかしこれはいつもの男姿である。ケーキ屋さんの店先などでスカートをはいた女性サンタを見かけることもよくある。しかしヒゲをはやしていることはない。ところがこの日の女性サンタさんは、立派な白ヒゲをつけてきたのだ。だからみんなビックリした。
ヒゲがないと身元がバレルということだろうが、忙しい父親サンタを助ける娘サンタの図としては理に叶っているような気がした。
年中の部の寸劇では、身体の大きな川井副園長がギャング団のボス役に扮した。黒づくめの衣装に黒メガネ。これが役柄にピッタリはまっていて、会場には驚きと笑いが交錯した。
もうひとつ印象に残ったのは、誕生会を終えて部屋に戻った誕生児のお母さん、お父さんが、持参のお弁当を広げて一緒に昼食会を楽しんだことだ。お誕生会だけのスペシャルデザート、蒸しケーキとパックドリンクはお母さん方にも配給された。
「あ、いいな、美味しそうだな」と親子のお弁当をのぞき込んでいると、「近くにちょっと面白いレストランがある。われわれも昼飯にしませんか」と川井先生が誘ってくれた。
着いたところは「オリエントレストランSUIREN(睡蓮)」という、外も中もしっとり落ち着いたベトナム料理の店だった。
社長&料理長は嶋野善文さん(左端)。相模ひまわり幼稚園の卒園児である。それゆえ川井先生はこの店を贔屓にし、同園ご用達にもなっている。
「本日のランチ」は、肉と野菜のアンカケ煮込み、ライス、野菜サラダ。それに薄口ながらも独特風味のベトナムコーヒー。「ベトナム料理は辛い」というイメージを持っていたが、それほど辛くはなく、実に美味しかった。
東京の本格ベトナム料理店で修行した嶋野さんだが、幼稚園のそばの住宅地で開いた店なので、ベトナムの個性を抑えて、できるだけ多くの人の口に合うよう工夫しているという。
社長のセンスなのか、働いている女性は美人揃いだ。社長の耳元に「ベトナムのアオザイを着せてあげると、お客は倍増しますよ、きっと」と囁くと、「考えます」と律儀な返事が返ってきた。
大らかな幼稚園と素敵なレストラン、そして駅前のショッピングセンターと、子育ての町に必要なものが、ここにはあると思った。
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