わかば幼稚園と始業式と魚臭ラーメン
2009年1月8日(木)
山梨県中央市・わかば幼稚園(井口太理事長&園長)を訪ねた。
JR身延線「常永」駅から歩いて約15分。山梨大学医学部の少し手前に幼稚園がある。前夜の深酒のせいで、頭の中は反省の鐘が鳴り響いていたが、晴れ渡った朝の冷風がその音色を少し鎮めてくれた。
わかば幼稚園は看板を大事にしている幼稚園である。前回訪ねたときはステンレス製のモダンな看板を注目したが、今回はクラシックな屋根付き看板に見とれてしまった。幼稚園にかぎらず、看板に気を遣うのは大切なことである。
この看板の雰囲気に合わせ、園内には新たに東屋と水車がお目見えし、以前とは違う和風ムードを醸し出していた。
右の写真が井口ご夫妻。看板といえば、慎子副園長もまだまだ看板娘の存在感
を湛えていた。
「今日が始業式だというのに、昨夜は園長先生を遅くまで引き留めてすいませんでした」と頭を下げると、「あらそうですか。いつ帰ってきたか気がつかなかったわ。今朝も平気な顔で早起きしていましたよ」とにこやかにと受け流してくれた。さすがである。
園庭の真ん中に立つと、南に富士山、北に八ヶ岳、そして西に南アルプスが見える。まさに大自然に囲まれた幼稚園だ。
そんな中、久しぶりに登園してきた子ども達が、先生や友達同士で「あけましておめでとう」の挨拶をかわして賑やかだ。“園長先生と仲良し”という様子を察して、初めて見るオジサン、つまり私にも律儀に「おめでとうございます」と腰を折ってくれる。新年の挨拶の清々しさを久しぶりに堪能した。
「お正月はとっても楽しかった」という子に、「何が楽しかった?」と訊くと、ちょっと目をクリクリ考えてから「みんな楽しかった」との答え。きっと、家族と一緒に一日中、あるいは長い時間を過ごせたことが何より嬉しかったのだろう。
中には「お年玉をね、お父さんからいくら、おじいちゃんからいくら……全部で○万円もらった」と早くも経済感覚を磨いている子もいた。
ひとしきりお正月の思い出話をしながら友達と遊んだ子ども達がホールに集まり、始業式が始まった。
「みんなの元気な顔に会えて本当に嬉しい。園長先生も、ほらこんなに元気だからね」と、身振り手振りでピンピン元気ぶりをアピールした園長に続いて副園長が前に立ち、三学期にちなんだ三つのお約束をした。それは「元気なご挨拶」「ありがとうと言う感謝の心」「ごめんなさいと言える素直な心」だった。
ポカポカ暖かい渡り廊下で、子ども達はお母さんのお迎えやバスの時間を待つ。その間先生は絵本を読んだり、クイズをしたり、歌を歌ったりしていたが、中に1人、広告チラシで器用に紙切りを演ずる先生がいた。
三方に載った見事な鏡餅を切った後は、子どもからのリクエストに応えて「カブトムシ」「飛行機」「園バス」などを次々に切っていく。
作品をもらった子どもは、まるで宝物をもらったように大事にカバンの中にしまっていた。思わず私も、「何かひとつもらえないでしょうか」と頼むと、立派なクワガタを切ってくれた。私の永遠の宝物のひとつである。
子ども達が帰り、掃除が一段落したところで先生方に消防自動車に集まってもらい、南アルプスをバックに記念撮影をした。
「近くに旨い蕎麦屋があるんだ」と井口理事長に誘われ、二日酔いで朝飯抜きの胃袋に昼飯を詰めてから帰路につくことになったが、あいにくお薦めの蕎麦屋は休みだった。旨い蕎麦屋は全国的に「行こう!」と思った日が休みなのである。
「じゃ、できたばかりのラーメン屋がある。若い人達に人気らしい。いい機会だから行ってみよう」と蕎麦からラーメンに方針転換した。
エキゾチックで神秘的雰囲気の漂うお店だったが、メニューがよくわからない。無難なところでと一番上にあった「特選新潟ラーメン」を2人は頼んだが、出てきたのはこれだった。
「ん、スパゲティ?焼きうどん?」と思ったが、太麺で汁の少ないラーメンだった。食べてみると新潟の香り、いや生魚の香りがした。魚を腐らせて作る醤油「魚醤」のことは聞いたことがあるが、おそらくそれを使ってスープをつくっているのだろう。
最初の一口で2人は顔を見合わせ、「なんだこれ」と無言で言い合ったが、食べ終わったときには「これ、クセになりそうだね」と激しく言い合った。この魚臭ラーメンを食べるためにも、ときどき甲府に来なくてはいけないと思った。
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