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蒲幼稚園と蒲神宮と大貫英一

2008年10月29日(水)

★蒲幼稚園の園名の由来は

Photo 静岡県浜松市・蒲(かば)幼稚園(大貫英一理事長、大貫ななみ園長)を訪ねた。半年ほど前、理事長から「たまには遊びにおいでよ」と電話があり、「ちょっと先になるけどな」と言いつつ、この日の約束ができていた。

ところが着いてみると、肝心の大貫英一先生(写真/元・静岡県私立幼稚園協会会長、元・全日本私立幼稚園連合会副会長)の姿が見えない。体調を崩して1ヶ月ほPhoto_2 ど前から入院しているという。この日の約束をした後、妻(前園長の妙子先生)を亡くされたので心配していたが案の定だった。

しかし点滴や水抜きの管はついていたものの、病室の大貫先生は意外に元気で、私の顔を見るやガバと跳ね起き、「やあやあ本当に来てくれたか」と力強く手を握った。

そして「やっぱりな、分を超えて偉そうなことを言ったりしてはダメだな。おかげでこんなことになった。まだ元気で偉そうなことを言っている連中に、よく言っておいてくれ」と笑った。

大貫先生は決して偉そうなことを言う人ではない。自分の主張を無理強いする人でもない。多くの人の話にしっかり耳を傾け、慎重に判断をくだすタイプだ。それでもそんな言葉が出てくるのは、県の会長、全国の副会長という立場は、自分らしからぬところに自分を追いやる力を持っているということだろう。

ところで、蒲(かば)幼稚園という園名を聞くと、ほかの園長仲間は「え?ウソでしょ。逆立ちしたらバカ幼稚園になってしまうよ」「蒲田の蒲だからカマ幼稚園って呼ぶんじゃないの。でもそれもオをつけたら変だな」「ウナギの産地、浜松だから蒲焼きからとったのかな」といろんなことを言ってくる。

Photo_4 しかし紛れもなく「かば幼稚園」であり、地元の人々にとっては何の違和感もない。それどころか由緒正しき名称なのである。

かつてこの一帯で力を持っていたのが蒲氏一族で、その氏神様として874(貞観16)年に建立されたのが「蒲神明宮」。歴史と格式を持つ立派な神社で、そのすぐ隣にあるのが蒲幼稚園なのである。

動物のカバでも、ウナギの蒲焼きでもないのだが、やはり子ども達にとってはカバといえば、のんびり大あくびをするカバさんを連想する。

Photo_5 だから園バスにも、子ども達や先生方が着るTシャツ、トレーナーにもカバに似たキャラクターがついている。カバの妖精で、みんなに「カバちゃん」と呼ばれている。

「なんだ、やっぱり動物のカバじゃないか」と言われそうで話はややこしくなるが、とにかく意味深いカバ幼稚園なのである。

Photo_6 園長が亡くなり、園児と保護者のアイドルである理事長が入院中とあっては、幼稚園の方がちょっと心配だが、案ずることはない。娘の大貫ななみ先生が園長を継ぎ、婿の寿夫さんが事務長としてしっかり支えている。

寿夫さんは元県庁職員なので、まさに堅実で、的確に状況判断しながら仕事を進めていく。妻のななみ園長は笑顔が素敵で、おしゃべりの歯切れが良く、聞いていて気持ちが良い。このコンビが新しい蒲幼稚園の歴史を作ってくれることだろう。

★やっぱり浜松餃子

幼稚園と病院を辞し、相変わらず風の強い浜松の街をブラブラと歩いた。今回めざしたのは浜松城だ。

Photo_7 1980(昭55)年、それこそ大貫先生らの骨折りで、浜松で全国理事長園長研修大会が開かれた。そのとき会場のコンコルドホテルからよく見えたのが浜松城だった。

「徳川家康、水野忠邦らあそこの城主になった人は出世した人が多い。だから出世城とも呼ばれている」との話も聞き、「それじゃ帰りに寄らなくては」と思っていながら果たせなかった。我が身が出世にとんと縁がないのはそのせいかもしれない。

というわけで遅ればせながら訪ねた次第である。とうの昔にクラウンは諦めたが、せめて50ccバイクで遠出ドライブができるくらいに出世したいものだ。バイクといえば、これも浜松名産である。

さて浜松の食べ物と言えば、ウナギパイなどもさることながら、やはり「浜松餃子」である。「肉じゃがの街」を京都府舞鶴市と広島県呉市が争っているように、「餃子の街」の座を栃木県宇都宮市と浜松市が争っている。最近は東京の蒲田、池袋、あるいは福島県福島市も「餃子タウン」を名乗り始め、「元祖はここだ!」と東京・亀戸も頑張っている。

Photo_8 しかし浜松餃子はひと味違う。具にキャベツが多いのがいい。大産地・豊橋が近いせいだろう。さらに茹でたモヤシが添えられてくるのがまたいい。

そこで晩飯は、大貫寿夫事務長と待ち合わせて浜松餃子を食べることにした。餃子が食べられる店は山ほどあるが、「ここがいいんじゃない」と足を止めたのが、カバならぬブタが招く、幼稚園好みのする楽しそうな「錦華楼」だった。

Photo_9 ハデな店構えの割に店主は頑固一徹風で、出てきた餃子も昔ながらの浜松餃子で、美味しかった。

その後、大貫ななみ先生から、同園特製の「カバちゃん絵はがき」が二通届いた。色違いだが、もしかしたらほかにも色があるのかも知れない。一番上001 にキャッチフレーズが書いてある。「かぜのことばをひろってみよう」である。「かぜのことば」を略してカバ。やはり奥の深い蒲幼稚園だった。

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