箱根登山鉄道と東京都学法協議会と小島滋雄弁護士
2008年8月1日(金)
★運転手・車掌の免許併有はできないのか?箱根登山鉄道
箱根宮ノ下の武蔵野別館というホテルに出かけました。そこで、東京都私立幼稚園連合会・学校法人協議会(角本史夫幹事長=豊島区・白ばと幼稚園)の宿泊研修会が行われたからです。
私立幼稚園の多くは学校法人立ですが、東京都は個人立、宗教法人立の園数も多いため、設置体別に協議会を設け、設置体特有の問題は各協議会で議論する形になっています。
それはともあれ箱根です。箱根と聞くとなぜか心が躍ります。箱根駅伝のせいかも知れません。
千葉の幕張本郷から箱根というと、「遠いのでは?」と思うかも知れませんが、意外にも近隣の有名温泉地の中では一番近くて安いのです。
参考までに時間と普通片道運賃を列記しますと、①箱根湯本 2時間50分 1,730円 ②鬼怒川温泉 4時間45分 2.090円 ③熱海温泉 3時間 2,600円 ④伊香保温泉 4時間10分 3,120円 ⑤水上温泉 4時間30分 3,260円 となります。
今回は箱根湯本より先の宮ノ下でしたので時間は3時間20分、運賃は2,030円かかりましたが、それでも一番お得で楽しめるのが箱根です。
箱根湯本までは写真右のちょっとモダンな電車で、湯本から先、強羅までは小型2両編成の電車で旧勾配をキーキー、ゴトゴトと登っていきます。
しかし同じ方向だけで登っていくことができず、途中で3カ所、スイッチバックし、進行方向を入れ替えて登ります。
このとき運転手さんと車掌さんが電車の外を歩いて入れ替わります。2両編成ですからさほど時間はかかりませんが、幼稚園の先生が保育士の資格も持っているように、運転手と車掌の両方の資格を持っていれば、時間をおかずに、すぐに逆方向に走り出せるのに、「どうしてそうしないのだろう?」といつも思ってしまいます。
しかもその交代劇は、両者とも俯き加減でトボトボと行われ、すれ違うときに声を掛け合うことも、目を合わすこともありません。もし乗客を楽しませるためのパフォーマンス的要素があるなら、スキップやハイタッチでもしながら、もっと元気にやってもらいたいものです。
「30円余分にかかるけど、一駅先の小涌谷駅から坂を下りて来た方が楽だよ」との都私幼連事務局・宮坂充宜(みつのり)次長の進言にしたがい、復路状態で下りてきました。しかし駅伝道路からホテルに続く上り坂だけで汗びっしょりになりました。
宮ノ下駅からホテルまで、律儀に登り続けてきた清瀬ゆりかご幼稚園の内野光裕園長は、ネクタイもワイシャツも脱ぎ捨て、ランニングシャツ姿で高級ホテルの玄関に現れました。どれほどすごい坂かご想像ください。この坂道を、箱根駅伝の若者たちは駆け上ったり、駆け下りたりするわけですが、とても信じられません。
★「人を育てることは最高の公益性」の自覚を
さて肝心の研修会の中身です。まずは弁護士・小島滋雄氏(九段一口坂法律事務所)の「公益法人としての学校法人」と題する講演から始まりました。
小島弁護士は、公益法人制度の大改正や私立学校法の改正に触れながら、「公益法人とは何か」という基本の基本を説き起こした上で、「人を育てることは、社会にとって最も大事な事業です。それを担っている学校法人は最大の公益性がある。規制の厳しさは、国民の期待、社会の願いを反映しているものと自覚してほしい」と大きな声で訴えました。
話を聴いた参加者は、「そうだ!私たちの仕事は最高の公益事業だ」と胸を張り、「監査を受けるのは楽しくないけど、喜んで受けようじゃないか」と、昇る朝日に向かって仁王立ちするような清々しい表情になっていました。
さて右の写真。講師の小島滋雄弁護士(左)と宮坂充宣事務局次長は、何を隠そう、都立大学附属高校(目黒区八雲)の同期生です。
部活は小島氏が柔道部、宮坂氏が硬式テニス部でした。強くなることで女生徒の関心を集めようとしたのが小島氏、最初から女生徒の大勢いるところに取り込まれたのが宮坂氏。硬派と軟派の両雄だったようです。
ただ芸術科目は小島氏が音楽、宮坂氏が美術を選び、このネジレ現象によって人生観のバランスは保たれていたようです。
ところで、この名門・都立大附属高校は、都立大自体がなくなったことに伴い(首都大学東京に発展)、2010年に廃止されることになりました。二人にとっては一抹複雑な心境かと思います。
引き続き行われたパネルディスカッションは、その公益性の高い学校法人を継承するための現実と課題をテーマに行われました。
写真は左から、幼稚園が妻の実家で義父から園長を継承したあきる野市・多摩川幼稚園の濱川喜亘園長、父親の他界に伴い園長を継承した町田市・開進幼稚園の湯目英人園長、幼稚園が夫の実家で義母から園長を継承した杉並区・久我山幼稚園の野上秀子園長、親族と関係なく叩き上げで園長に就任した武蔵野市・武蔵野東幼稚園の加藤篤彦園長。そしてそれぞれの発言について第三者の立場でコメントさせてもらった不肖編集長です。
この4人だけでも、私立幼稚園にはいろいろな継承パターンがあるのがわかります。要は現在の経営者が、自分の後継者に誰が一番適任であるかをしっかり見極めれば、そこにはおのずと様々なパターンが現れるということです。
もはや、親から子への単純な世襲では乗り越えられない公益性のハードルがあるとも言えます。
そんなシリアスな議論の後は、約1時間半の入浴タイムがあり、それから和気藹々の食事タイムです。すべてを忘れて付き合える宿泊研修の良さです。しかし私は泊まることができません。翌日に地元自治会の夏祭りがあり、自治会長として「午前8時に役員全員集合」の号令をかけているからです。
それでもご好意に甘えて、箱根の湯と「真夏の膳」と題した料理を頂戴することにしました。
宮坂氏と一緒に風呂に入り、そこで驚くべき温泉宿エピソードを聞きました。時間による看板の掛け替えに気づかず、女湯に入ってしまったことが、宮坂氏の人生には2度もあったというのです。女性が集まる場所に自然に取り込まれてしまう習性が、高校時代から営々と続いていることを納得しました。
そしていよいよ食事。大広間に座って「さあ、大急ぎで食べるぞ!」とお膳にかかっていた紙を取ると、何と、中身はこれだけでした。
伊香保温泉や鬼怒川温泉なら、最初からいろいろな料理がびっしりと載っていて、その気になれば15分で平らげることもできるのですが、さすが箱根は上品で、お品書きにある料理が順々に出てくるのです。
しかもそのテンポはゆっくりで、ぎりぎり20時まで粘ったものの、全14品のうち7品を食べたところで席を立たざるを得ませんでした。ここ数年では最も未練が残った一瞬でした。
千代田区・神田寺幼稚園の友松浩志理事長もやむを得ない事情で泊まれず、愛車・トヨタオーパで帰ると聞きました。そこで秋葉原まで乗せてもらえないかと頼み、快諾を得ました。約1,600円の電車賃の節約です。助かりました。
ガソリン値上げのおかげで、金曜の夜だというのに道路はどこもガラガラ。法定速度の安全運転にもかかわらず、箱根から秋葉原まで1時間半足らずで着きました。想定時間の半分です。驚きました。「これだったら、焼き魚、煮物、天麩羅も食べることができたかも知れないな」と、ふと思ったところでもありました。
ちなみに翌日の研修は、東京都の監査を受けた幼稚園が、その経験と注意点を語るシンポジウムが行われました。
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